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幸せの感じ方

家内からこんな話を聞いた。

息子の以前の同級生で、当時チームメイトだった仲間のお母さんから聞いた話。
最近、その同級生はいつも不機嫌で、家ではロクに口もきかないそうだ。元々口数の多い明るいタイプのお子さんではなかったが、まじめで成績もよく、文字通り文武両道であった。
今、その子は母校で部活のコーチとして後輩達の面倒をみているというが、同級生にはそのことで、なかなか思うように成果が上がらず悩んでいる心境を打ち明けたらしい。

子供の頃は、勉強でもスポーツでも真剣に頑張れば、その成果は目に見えて結果に表れるまでそう時間がかからないことが多いかもしれない。しかも中高くらいまでは努力して得た結果は周囲に必ず評価され、褒めてもらえることだろう。
ところが大人になると、何かに取り組んで結果を出すまでにはかなりの時間がかかり、特に目立つほどの結果を出すというは至難のわざである。さらに言えば頑張って結果出して当たり前。何がしか報酬を得ているならなおさらだ。結果出しからといって褒められることもない。逆に途中ちょっとでも何か悪ければボロくそにたたかれ、文句言われたり陰口たたかれたり。
彼のように指導的な役割は特に結果出すには大変な時間がかかるし、途中の努力も目にみえにくく、少しぐらい頑張ったから褒められることもないかもしれない。

そのような状況に慣れていないから、ひとしきり悩むことになる。別に中傷されなくたってこれでいいのか常に不安だ。揚句不機嫌な状態が続き、ひどくなると情緒不安定、些細なことでキレやすくなり、駅でだれかと肩がふれただけで相手をぶん殴り、ホームから突き落とす、なんて事件まで起こしてしまう場合もあるのかもしれない。(彼に限ってそんなことは無いですが、、)

手厚く可愛がられて育った、むしろ恵まれた若者ほど、もしかするとうまくいかない事に慣れていない。
でも、世の中なんてたぶん、うまくいかないことの方がほとんどだ。褒められることなんてまず皆無。自分は何ひとつ人より優れていない、と思い知るところから始まり、謙虚に頭をたれて、そこからほんの少しづつでも出来る努力を重ね、日々健康で生かされていることに感謝し、自らのほんの些細な成長や進歩に喜びを感じ、そんなときは自分で自分にご褒美を与えて、ちょっとだけ幸せな気分にひたり、明日からまた頑張る。
俺自身、若いころはいつも不機嫌だったかなぁ。それがなぜなのか、考えもしなかった。

そういえばうちの息子は勉強もスポーツもうまくいかないことだらけだけど、いつも比較的穏やだし、明るい。本当は辛く苦しくても、私たち親に心配かけまいとする、彼なりの優しさなのかもしれない。いずれにしろ、オヤジはそんな息子を持って幸せだ、と心から思うのである。

by tama1366 | 2014-05-19 12:30