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サッカーの話ではないけれど…

巷では政権交代の嵐が吹き荒れた先週末、オヤジは一味違う感動の嵐の中に居ました。

某団体テニスクラブ。オヤジは二年ほど前からそこで代表幹事を務め、今年が幹事としてラストの年と決めています。
大先輩であるこちらの会長も、体調不良を理由に今年限りでの会長引退を既に決めていらっしゃり、私と会長のコンビは、泣いても笑っても今年がラスト。
この某団体では、全国10ヶ所の支部が毎年一度一ヶ所に集まり、対抗のテニス大会が開催されます。先週末、今年で30回目となるその全国大会が、今年は愛知県の豊橋市で開催されました。

今回は全国10ヶ所から総勢150数名、全14チームが参加。東京からは20名ほどのメンバーが集まり、二日間の団体戦で優勝を争いました。

参加団体の中では、神戸、大阪、名古屋、東京が強豪ですが、我が東京は毎年ベスト4には食い込むものの、ここ5年ほど優勝から遠ざかっています。我が東京の会長は就任されて4年になられますが、在任中まだ一度もこの全国大会での優勝を経験されておられず、私はなんとしても、会長ラストの今年は優勝して会長を胴上げしたいと考え、『会長胴上げプロジェクト』(笑)と銘打って、しばらく前から準備を進めてきました。

幹事として、最初の苦労はメンバー集め。
東京のメンバーは90名から居ますので、10名や20名集めるのは何の事はないような気もしますが、30数年続いているこのクラブ、古いメンバーの方も多く、高齢でテニスはほとんど引退してしまった(笑)という方も結構いらっしゃるし、現在もプレーを続けているメンバーも、皆さんそれぞれ仕事が忙しく家庭もあり、私も含め若くもないですから(笑)体調や怪我などの問題もあったりで、二日間地方での大会に参加して頂くのはとても負担が大きい。しかも期せずしてこの日は選挙と重なってしまいました。

ところが東京の多くのメンバーが『優勝してラストの会長を胴上げしよう』という呼びかけに賛同して集まって下さいました。あと二名ほしい…というところでは、多くのメンバーが率先して互いに声を掛け合ってくださり、最終的には20名、2チーム分のメンバーが集まりました。試合は10名1組、ダブルス5組のチーム戦で3勝した方が勝つというルールですから、東京から参加した20名のうち半数が優勝を狙うAチーム、そして残る半数はBチームということになります。

そんなわけで次に苦労したのが、このチーム分け。優勝を目指すためには勝てるオーダーを組む必要がありますが、もちろん誰もが優勝を争うAで戦いたいと思うのは当然のこと。そこで客観的な実力通りに振り分ける事になるわけですが、学生時代、体育会庭球部の出身であるとか、現在でもJOPのポイントを持っているとか上位の4,5名を除けば実力は拮抗しているし、勝負事は相手やその日のコンディションにも左右されるし、メンバーをAB真っ二つに分けるという作業はとても難しくかつ勇気の要る作業です。
ましてプロと違い、楽しむことが目的の趣味の会ですから、A,Bとも楽しく、かつ優勝にもからめるようにしたいと考えるのも人情。ゲームキャプテンのM先輩は悩みに悩み抜いて、3つのチーム案を作って密かに私に相談をして下さいました。

コレにはさんざ悩みましたが、最終的には『皆さんがAの優勝、会長の胴上げを目指して集まって下さったのですから、M先輩が優勝を目指すため最適と考えたオーダーをお願いします』とお願いしました。それはテニスや勝負を見る目に関しては、現役時代、大学庭球部キャプテンであり、最近まで母校庭球部コーチを務められていたM先輩の判断に勝るものはないと考えたからであり、かつ今回は何より優勝を目指して最善の準備をすべきと考えたからです。

そうして迎えた大会初日のリーグ戦、東京Aはチーム戦績5-0、5-0、4-1の圧勝で翌日の決勝Tに進出、二日目に優勝を争うベスト4には他に神戸A、大阪、開催地豊橋Aと予想通りの強豪が顔を揃えました。
その影で東京Bはわずかなゲーム差で決勝T進出を逃すという残念な部分もありました。
そして運命の二日目、東京Aの準決勝の対戦相手、大阪は昨年のディフェンディングチャンピオン。チーム2-2となった最後の№1対決で勝利し、東京は辛くも3-2で決勝進出。
決勝の相手は、過去30回中11回の最多優勝回数を誇る神戸A。ほとんどが学生時代体育会庭球部経験者で、しかもまだ30代の選手が多い。対するこちら東京は№2に39歳の選手が1名居ますが、他は若くても40台後半、ほとんどが50歳代です。M先輩の№1だって二人合わせて丁度100歳…テニスの世界ではシニアだもんね…(汗)

この決勝戦。№5対決から始まり、№2まで4戦で2勝2敗とし、勝負は最後の№1対決に係る事になりました。相手№1はどうみても双方30歳台、こちらよりはるかに若さでアドバンテージがあります。

にもかかわらず試合は接戦でした。お互いにポイントの合間の応援もハンパじゃない。途中ゲームカウント4-5の30-40、相手にマッチポイント(チャンピオンシップポイント)を握られてしまいましたが、我が東京№1はこれをデュースで凌ぎ、逆転でこのゲームをとって5-5とします。6ゲーム先取のルールですから、泣いても笑ってもラストの第11ゲーム。相手サービスゲームとなりました。

相手の速くコーナーを突くサービスにも、ここ一番東京は集中していました。全て振り切った深くネットすれすれの見事なリターンや虚を突くロブボレーで相手を追い込み、ネット前を支配してポイントを重ねます。最後はキャプテンM先輩のグランドスマッシュがセンター深く決まり、見事東京Aは5年ぶり、通産7度目の優勝を飾りました!!

試合後は、全員で予定通り会長を胴上げ(笑)
会長もすごく嬉しそう…良かった、良かった・・涙

思えば、メンバー集めに奔走して下さった先輩方々、この試合のために6キロも減量して準備して下さった某先輩、優勝のために駆けつけて下さったI先輩ほかチームの皆さん、応援のために会場までお越し下さった先輩達、Bチームでも誰一人文句も言わず戦って下さったメンバー・・・参加して下さり、あるいはサポートして下さったメンバー一人一人、誰一人欠けても得られなかった勝利でした。

その日の夜、東京に戻ってささやかな祝勝会を開きました。
皆で写真を撮ろうという話になり、Mキャプテンが携帯で写真を撮って下さいました。『次はオレが…』と、オヤジがM先輩の携帯を借り、『ハイ、チー(ズ)・・・』と構えたその瞬間…画面が真っ白に!あれ?電話が鳴ったみたい。よく見ると、画面に相手の名前が…

『○○子』!?

オヤジ:『せ、先輩、○○子さんから電話です!』

M先輩:『え!?す、すみませーーーーん(汗)』
とか言いながらオヤジから携帯を取り上げ、そそくさとどっかに電話しに行っちゃったM先輩。後ろ姿が可愛かったです(笑)その姿にメンバー一同、大爆笑の嵐!!(ちなみにM先輩は現在独身)
すっげータイミングでした…皆さん、気をつけましょう!(笑)


サッカーのチームでもそうだと思うのですが、レギュラーの選手も、サブの選手も、サポートする監督やマネージャーやスタッフも、サポーターも…
チーム全体が同じ目標にむかって一つにまとまるという事自体、とても難しく大変なことですよね。
まして勝負事というのは、やってみなければわからない。どちらに転んでもおかしくないから面白いし、仮に皆がまとまって頑張っても結果がついてこない事なんていくらでもある。

もちろん、結果として会長を胴上げできたことは嬉しかったのだけれど、この歳になって、こうして多くの仲間が一つの目標に向かってまとまって力を合わせて、おまけに結果までついてきたという経験ができた事は、たぶん人生の中でそう何度も経験できるものではないと思います。

そんな経験をさせてくれた仲間や大先輩皆さんに、心から感謝。

そしてもう一つ、たまたま縁あって、結構長い間(笑)見続けてきたサッカー。若い頃から団体スポーツの経験が無かった私にとって、もしこのわが子を通じてのサッカーが無かったら、きっとこの貴い経験は出来なかったのではないか…と思っています。

by tama1366 | 2009-09-03 14:08